研究会概要
薬剤耐性菌による院内感染は,医療現場で最も重要視しなければならない感染症です。進化し続ける薬剤耐性菌と,近年世界の製薬企業の新規抗菌薬研究開発の停滞と鈍化から,医療の安全面は危機的状況にあります。その結果,治療不可能な新型の各種多剤耐性菌の出現と拡散は世界的脅威となっています。しかしながら、薬剤耐性菌研究を取り巻く環境は問題の重要性・緊急性にもかかわらず良好とはいえません。何より研究者の数が多くないことが問題で全体としての研究の進展に影響を与えています。この問題を解決するために研究者間の連携を高め効率的な研究を行うことにより、薬剤耐性菌研究全体の底上げをはかる必要があると考えました。
そこで、薬剤耐性菌対策に資する諸研究の進歩進展を図ることを目的として、薬剤耐性菌の研究を行っている研究者間の情報交換を進め薬剤耐性菌研究を促進するため、2003年に本研究会(薬剤耐性菌研究会)が発足しました。2007年に薬剤耐性菌シンポジウムと合併し第5回研究会を第36回研究会として再スタートを切り現在に至っています。